「気になるっていうか仲良くしたいかな」
「オレはシェーラ王女は信用できないと思ってる」
「クラウド変だよ。
挨拶の時も冷たい言い方だったどうして?」
返事はなくクラウドはナナミから手を離すと躰の向きをかえ背を向けた。
「宴が始まる。行くぞ」
クラウドは立ち止まったままナナミが隣に来るのを待つ。
それからナナミの手を取り歩きだしたが。
急に足を止めたクラウドにあわせ歩くのをやめると。
「ナナミはバカだ」
2度目はさすがに!
「ひどいよっ」
クラウドは文句を言おうとしたナナミを抱きしめた。
「シェーラ王女に気おくれする必要ないだろ。
庶民の出とかそんなこと関係ない。
お前だから惹かれてる」
クラウドの言いたい事がわかってナナミから怒りは消えていった。
「シェーラ王女と比べなくたっていい。ナナミは充分可愛いし魅力的で、だから気にするなんてバカだわかったか?」
面と向かって可愛いとか魅力的なんて言われると恥ずかしいけど
嬉しい……。
「うん」
頷くと二人は再び歩き出した。



