異次元の王子と癒しの姫君



『なぁ~んだ。大人しそうな娘だね。とても癒しのチカラを持っているようには見えないな』


これが第一声。


それは自分でも分かってる。赤い瞳と癒しのチカラを持っている以外は……次期王妃になる器も気品も見られないそう言いたいのだろう。
どうして癒しのチカラなんて私に与えたの?。
神様は力を持たせる者を間違って選んだのかも……。


それから逢うといつも、バカにしたような冷たい目で見られた。
それに……クラウドにはアデルのお兄さんなのにいつも敵意むき出しの態度だったし。


クラウドと婚約が決まってから一緒にいるところにアデルが鉢合わせするといつも決まってピリピリした空気が流れてすごくイヤな気分になった。


でも、クラウドは違った。
初めての王宮に雲の上の人たちだと思っていた人たちと対面するなんて緊張しっぱなしで声はうまく出なくてかすれてしまうし。


躰は震えてくるしもうダメ……と思った時クラウドが近くに来た。クラウドが私の手を包むように触ると全身の震えが不思議と止まってしまい気分も落ち着いた。