異次元の王子と癒しの姫君



部屋のベッドにそっと下ろされた。


「お前はナナミ?それともディアナか?」


「……」


すぐに答えられなかった。
今までなら私は水嶋七海だってはっきり言えたんだ。
だけど……なぜか目が醒めてから私にはディアナさんの記憶があった。


不思議、どうして他人の記憶なんて。ディアナさんの小さい頃からの記憶、私がしたことのように思い出としてあるなんて。


「ナナミ、答えろ。ディアナに繋がる何かを思い出したんだろ?」


クラウドの表情というか雰囲気がちょっと違う。

ナナミなのかディアナなのか、だんだん解らなくなってきた……。
ナナミとしての記憶もちゃんとある。
だから混乱してきてしまった。


「解らない……」


「さっきの口ぶりはディアナのものだった。前世の記憶が戻ったんじゃないのか?」


前世……?

「クラウド?前世の記憶って何なの?」


「惚けるな、本当の事を言え」


膝をつきベッドにいるナナミを見るクラウドの瞳の色はいつもより濃く。
問いつめるためにナナミに向けた顔は厳しい。