「だからっ、私はディアナじゃないって言ってるでしょっ」

「……はぁ」


グレーの瞳の男はため息をつき七海に近づいて来た。


次の瞬間力強い腕に手首を掴まれ。


「ディアナ…………」


「――――んん――んはぁ――」


唇をふさがれた。


……誰ともこんな事したことないのに。


知らない人とキスしているのに。
嫌……じゃない。



それにナニコレ?
苦しいよ……。
胸がズキンズキンって痛くってなんか変。


唇が離れて意味の分からない言葉が聞こえて。

意識がフッと遠のき目の前が真っ暗になった。


真っ暗闇の中、自分の身体がふわっと浮いた。
耳元で誰かが囁いている。


なんて言ってるの?
よく聞こえない……。



完全に私の意識は途切れた。