「その瞳のどこが黒色なんだ?」
「???」
「ディアナ様、これを」
もう一人の紫色の瞳に淡いブルーの髪の男は七海に手鏡を渡して下がった。
「自分の姿を良く見てみろ」
手かがみを見ると。
顔は間違いなく嶋崎七海の顔なのに宝石のような赤い瞳に。
肩までの長さだった髪はすきとおるような金色に変わり腰まで伸びている。
なっ、何これ……。
どうなってるの!?
「分かったか?
その顔立ちに癒しの姫のあかしである瞳と髪の色、お前はオレの婚約者のディアナだ」
「違うよ……こんなの違う。
私じゃない」
「いいかげんに認めろ。
それから逃げたわけを話せ」
だから人違いなのに。
どうしたら解かってくれるの。