急にアデル王子が現れてすごく混乱しているでも一つだけ解った事がある。
今、アデル王子が手にしているペンダントは……多分ディアナさんのだ。
アデル王子や王宮の人達は私の事をディアナさんだと思っている。ここで私がナナミだと知っているのはクラウド王子とセドラさんとリマさんだけそれでベンダントを返しに来たんだ。
どうして……ディアナさんのペンダントをこの人が……それにさっきからぞっとするほど冷たい目で見られてイヤな感じ。
「……ねぇ、どうやってあそこから戻れたの?キミが戻って来たおかげで考えてた計画は台無し。……どうしてくれるの?」
計画が台無し?……よく分からないけど多分、良くない話しみたい。
アデル王子の冷たい目がジロリと睨み、ますますイヤな感じが増した。
いいかげんこの部屋から出て言ってほしい。そう言いたいのに喉がムリやりふさがれたように声が出てこない……。
ドンドンドンドンッ――――!
急にドアを叩く大きな物音がした。
「ナナミ様っ!!」
リマさん……?