「レイは何食べたい？」

ﾎﾞｰｯと景色を眺める私を覗き込むようにサトルは言った。


「あ、ごめんっごめん。ﾎﾞｰｯとしてたっ。今日は焼き鳥の気分！」


ありったけの笑顔で応える。


そんな私を見てサトルは微笑みながら言う。


「最近、レイの気持ちが分かるような気がする…」


「え、今更？！何で〜？」

「前まではさ、食いたいもの聞いても『何でも〜』とか、行きたいとこ聞いても『どこでも〜』だったじゃん……？」


口を斜めに歪ませながらサトルは言った。


「そうだっけ？」

残ったﾐﾙｸﾃｨを飲み干して、口にｶｯﾌﾟを加えながらサトルから目を反らして天井を見つめながら応えた。


「だよ〜、最近はちゃんとこうしたいって言ってくれるから、俺だってさ…嬉しいよ」


「そ〜う？そだね。良かった〜」


「たまに軽い感じは変わってないけどな〜」



天井から吊らされたﾗｲﾄの灯りが暖かい。



その灯りの中にどうしても貴方を探してしまいそうになる。


「そんなことないって、ちゃんと聞いてるって」


再びサトルに笑顔を向けて応える。



そう、目の前に居るのはサトルなんだ。