部屋に戻ってから、明かりを少し落としてワインを楽しんだ。




外に浮かぶ真っ暗な海の中にある小さな明かりをいくつも探しながら。




ゆったりと流れる時間を過ごしていた。





この辺りはイカ漁船が多く港を出ていくという。




あのいくつもの小さな灯りは漁船のものだと。





そんなことも教えてくれた。





痒い所に手が届くように、レイの知らないことまで何でも知っている彼。





それが嬉しくて、何度も色んなことを聞いた。





貴方について行けば幸せになれる…。





2人ソファにもたれかかりながら、ただ海のはてを眺めていた。






あの大きな海の向こうに幸せが見えた気がした。





「ずっと…一緒にいようね?」




コツンと彼の肩に頭を置いた。






何も言わずに優しく髪を撫でてくれる心地良さの中、






貴方の声が聞こえた気がした。









「レイ……幸せに…」