Love their

「…待って」


里子の勢いを止めるつもりで言った。



「何よ…」



里子は興奮を抑えながらレイを見つめた。



「じゃどうして、あの時どうしてサトルが好きって言わなかったの?」



そうだ。


それ以前から一度も聞いたことない。




里子がサトルに惚れてたなんて!!




「……ケーキ開けてみなよ…」



「答えてっっ!!」



「いいからっっ!!」



レイは里子に圧倒されて仕方なく箱を開けた。




シュークリームが5つ。




大好きなシュークリーム。




箱の中は全てシュークリームだった。




「あんたの好きなの全部知ってる…」



箱の中を覗くレイを見つめながら里子が呟く。




「…あんたが転校してきた時から、あんたのことは全部知ってる」



「里子……」




「あんたの好きなものから何もかも…知ってる。そうよ…私がお守りしてきたんだから」



「あんたが好きだから、あんたに頼られて嬉しかった」




それは、分かってる…。




里子、



里子がいなければ私は知らないこの土地で生きていけなかった。