お姉ちゃんの憂鬱


テストを受けることはできたが、時間的には完全にアウトだったのでテスト後にメガネ先生に散々お説教されてしまった。すべてはあの体育教師が悪いって言うのに。



メガネから解放されたあと、各々帰宅準備をしたり部活に向かったりする中でメグが一人でふらりと教室を出ていくのが見えた。


鞄も持たずにどこにいくんだろう?



メグの鞄を片手に後を追ってみたら、たどり着いた先は葉の落ちた木々が立ち並ぶ裏庭。

夏になると緑が青々を生い茂り木陰を作ってくれるため生徒に人気だが、葉が落ちて寂しい様子の今、あまりここを訪れる生徒はいない。





「いつまでストーカーごっこするんだー?」


「あら気づいてた?てかストーカーじゃないから。探偵だから。」


「そんなバレバレの尾行じゃ探偵にはなれないな。」


「だろうね。はい、かばん。」


「あんがと。」




二人でベンチにならんで座る。時刻は日没間近。




「で、どうした?」


「いやそれこっちのセリフだから。なに一人でふらついてんのさ。」


「あー、なんかいろいろ思い出してた。」


「いろいろって?」


「1年の時の事とか、去年の事とか、最近の事とか。」


「去年はいろいろしたもんねー。また京都行きたい。」


「海は?」


「それはもういいかな。沈められるし。最近の事って?」


「ん?本当に最近のことだよ。お前らと勉強したりコタツ入ったり。」


「なにメグ、センチメンタルなの?」


「お前センチメンタルの意味知ってんのか?」


「…まぁ雰囲気だよね。うん。意味とか重要じゃない。」



なんでこんなとこで馬鹿さらさなきゃいけないんだ。あとでちゃんと辞書引くもん。