お姉ちゃんの憂鬱


ひよっこの分際で人の家のお母さんに対してなに説教垂れてんだと言う感じだが、この人には頑張ってもらわなくてはならないのだ。


だって、そうじゃないとまどかがいつまでたっても家に笑顔で帰れない。そんなの悲しいじゃないか。




「あ、昨日お弁当作ったんですね。」



それでまどかは機嫌が悪かったわけだ。

どう思っているかは知らないが、何かまどかの気持ちを揺さぶる要因があったんだろう。




「そうなんです。でも、友だちと店で食べるからいらないって言って、もっていってくれませんでした…」


「なんで今まではお弁当作らなかったのに、急に昨日は作ったんです?」


「こっちの高校に編入した最初の時に張り切ってお弁当をつくったらもう二度と作るなと言われてしまって…」


「えぇ?なにかあったんですか?嫌いな物いれたとか…」


「どうなんでしょう…理由もなにも言ってくれなかったので分からないんです。でも今回、みなさんが家に来てからちょっとだけまどかさんが話してくれるようになっていたのでテストの最終日だからと思って思い切ってお弁当を作ったんです。そしたら撃沈でした…」




なんと、あたしたちがお邪魔したあとは頑張っていたのか。じゃあなんで?