お姉ちゃんの憂鬱


会計を済ませると並んでスーパーから出た。



「あ、もしかして車ですか?」

「あ、はい。送っていきますよ!」

「いやそんな訳には…。」

「…私みたいな人間の運転じゃ心配ですよね。まどかさんもなかなか乗ってくれないし…」

「の、乗ります!よろしくお願いします!」



あたしの心情としては、会って二回目の友だちのお母さんの車に自分1人の状態でお世話になるのを遠慮しただけだったんだが、そうとは知らないまどか母は盛大にへこんだ。



「安全運転を心がけます!」と宣言して発進した車。


見ているこっちが心配になるくらいに肩に力が入っている。




「まどかママさん、あたしなんかに緊張しなくていいですよ?」

「いえ、まどかさんのお友達に失礼なことはできませんから!」

「いやいや、ただの女子高生にそんなに気を使わないでください。あたしもその方が気楽に話せますので。」

「そ、そうですか?」

「はい。なので、普通に話してください。」

「が、がんばります!」

「…がんばらなくていいですからね?」



ついつい苦笑いが漏れてしまう。
本当になんなんだこのママさんは。