お姉ちゃんの憂鬱


その後、戻ってきたメグを交えてまどか母が持ってきてくれた飲み物を飲んで休憩。




「古文と漢文のヤマ張るために明日先生に質問しに行くかー。」


「直江も山城と一緒にいって来いよ。たぶんお前が質問すればポロッと口滑らすだろ。」


「了解です。得た情報はみなさんに横流ししましょう。」



古典の担当教師はおじいちゃん先生でとても優しい。メガネとは大違いで優しい。

熱心に勉強している人を一生懸命バックアップしてくれる、温かい先生なのだ。




そしてたまに、うっかりテストの問題について口を滑らせたりしてくれるので、みんなこの先生の話はちゃんと聞くようにしている。


これも先生の手法なのかは分からないけど、うまいことお互いに得する関係が成り立っている。メガネとは大違いだ。




「メグ、ここわかんない。」


「どれだ?あー、これはこの定義使ってだな、式の形変えて、そうそう。で、ここ代入。それじゃなくてあ、それそれ。あとは計算できんだろ。」


「理解しました!」


「うむ。飲み込みが早いな。褒めて遣わす。」


「ありがたき幸せ!」


「はいはいまた唐突に始まりました二人の世界。」


「はい休憩おわりー勉強開始しまーす。」


「いやオレらもう開始してるけどな。」


「すでに一問解決済みだもんよ。」


「山さん、もう休憩終了ですか?延長を希望します。」


「却下します。」


「つらい。」