お姉ちゃんの憂鬱


集中して勉強すること1時間。

早くも直くんの集中力が切れ、部屋の中をきょろきょろし始めた。


「…直くん、女の子の部屋を詮索するなんて失礼だぞ。」


「つってもなんも面白い物ないでしょ。別にみられても問題ないよ。さーて、直江も勉強に飽きてきたことだし、一旦休憩にするかー」


「香奈子、わかんないとことかあった?」


「あったあった。印つけておいたから休憩終わったら教えてー」


「りょーかい。あ、山城。トイレ借りてい?」


「どーぞー。階段降りて右側の扉だから。」


「おー、借りるわ。…おわっ!!」




立ち上がり、ドアを開けたメグが、開けた途端に変な声をあげた。

何があったとメグの方を見ると、そこには飲み物とコップが乗ったおぼんを床に置いて、おろおろするまどか母がいた。




「すいません、居ると思ってなくて。」


「え、いや、あの、わたしこそごめんなさい!あ、邪魔ですよね!い、今よけますので、ぎゃあぁ!」



メグの謝罪の言葉により一層おろおろするまどか母。よけようとしておぼんの上にあったペットボトルを盛大に倒していた。



「だ、大丈夫ですか?」


「こちらはお構いなく!トイレは階段をおりた右側ですので!どうぞごゆっくり!」