ついたのは普通の一軒家。
この家にどんなお母さんが待ち構えているのか、想像してみる。
過保護と言っていたし、すごく口出ししてくるとも聞いた。しかも仕事人間。
その限られた情報から導き出されるのは、真面目で厳しいキャリアウーマンタイプか、それとも世話焼きすぎてうっとうしいおばちゃんタイプか…。
どちらにしてもまどかは嫌がりそうなタイプの人間だ。
「お邪魔しまーす。」
先頭にいたあたしが初めに玄関に入る。ちょっとドキドキしながらくぐった玄関。
その先にいたのは、
「は、はじめまして!まどかさんの母です!いつもまどかさんが、お世話になっています!きょ今日はゆ、ゆっくりしていってください!!」
廊下に三つ指をついて、緊張のためか噛み噛みでお出迎えしてくれる、1人の小さな女性だった。

