お姉ちゃんの憂鬱


「山さん、ダメですか?」


「…んー、ダメってことはないけど、家に来ても何にも面白くないぞ?」


「勉強するんですから、面白かったらダメです。」



どこか真剣な顔な直くんは、もしかしたら、この間のメガネの話を気にしているのかもしれない。

あたしもどう切り込もうか悩んでいた問題を、直くんはストレートに超えていく。今は素直な直くんがとても羨ましかった。



「まどか、あたしもまどかの家行ってみたい。」


直くんを見習って、素直に言葉をぶつけてみると、まどかは少しだけ驚いた顔をした。

あたしがまどかの家庭環境を知っているからだろうか。



「…かーちゃんが言うんじゃ仕方ないなぁ。うん…いいよ。明日は山城家においでませ!」


力なく笑ったまどかだったが、どこか嬉しそうだ。


「でも、明日日曜だから家に親いるよ?いいの?」


「何の問題もありません。しっかりご挨拶の文章を考えていきますね。」


「いやそれはいらないけどさ。かーちゃんたちも大丈夫?」


「うん、大丈夫。」


「まどかの家は初めてね。」


「お前らも行ったことなかったんだ?」


「だっていつもまどかがダメーって言うんだもん。」


「さやかだってダメって言うじゃんか。」


「それはあたしの部屋が入れない状態だからに決まってるじゃない。」


決まってるのか。そうか、部屋を片付けたお姉ちゃんとして言わせてもらいます。悲しいです。