お姉ちゃんの憂鬱


「あー、お前ら、山城の家って行ったことあるか?」


「まどかの家ですか?あたしはないですね。直くんは?」


「僕もないです。」


「なんでそんなこと聞くんですか?」


「うちのクラスで山城だけ進路希望出してないんだよ。で、この間電話したら、あいつ進路について一切親に言ってないみたいでな。」


「なんでそのことと家に行ったかが関係するんですか?」


「いや、家でのあいつの様子とか知ってっかなと思って。」


「そうですか、山さんのことですからきっとあのまんまなんじゃないですかね?」



先生はまどかが再婚してこの学校に編入してきたことももちろん知っているんだろう。

個人情報だからあたしたちにはっきりとは言えないけれど、家庭の状況が心配であたしたちに遠まわしに聞いていると言う感じか。


たぶんさっきの反応から見ても直くんはまどかの親が再婚で、新しい母親とうまくいっていないことを知らない。

さぁちゃんは知っているかもしれないが、みんなの前で家の話をほとんどしないまどかのことだから、男子陣は知らないだろう。



「変な事聞いて悪かったな。そろそろ昼休み終わるから戻れよ。」