「あたしさ、心のどっかで、今まで仲良くしてたんだしそんなに怒ってないかなとか、また仲良くできるかなーとか思ってたわけよ。でも、あの子たちからしたら、あたしってもうどうでもいい存在になっちゃってるみたいでね、こりゃあもう歩み寄るのは難しいなーと」



ぽたぽた涙をこぼしながら、それでも軽く話そうとするさぁちゃんに胸が痛くなる。

あたしは危うくこの小さな悲しい叫びを聞き逃してしまうところだったのか。


みんなでワイワイするのも楽しいが、それが全てじゃない。




「つらかったな。さぁちゃん」


「…うん」


「話してくれて、ありがとう」


「…うん」



優しく頭を撫でてあげると、小さく笑った。




「かなたちがいてくれるから、寂しくはないよ。でも、もうあの子たちとは仲良くできないかもしれない」


「無理して仲良くする必要はないよ。つらい思いするくらいなら、少し距離をとっても誰も怒りやしない。人間なんだから、あう人間も、あわない人間もいる。お互いが冷静になれるまでは、離れてもいいよ」


「…うん。きっと、あたしがちょっと焦っちゃったの。もう少し、かなたちとだけ遊んでてもいいかな…?」


「いいよ。というか、あたしたち四人だけじゃ、まとまるものもまとまらないから、さぁちゃんがいてくれないと困る」