お姉ちゃんの憂鬱


二階の手前の部屋がさぁちゃんの部屋らしい。


さぁちゃんの家は4人家族で、お父さんお母さんとお兄さんがいる。

けど、今お兄さんは大学生で一人暮らしをしており、家には3人しかいないと以前言っていた。




手前のドアを開けて、初めに見えたのはカーテンの緑。


意外だ、さぁちゃんのイメージから、勝手にピンクとかオレンジとかそんな色を想像していた。


そして次に目に入ったのは溢れる物、物、物。





「………。」


「…絶対今引いてるでしょ?!無言だけど完全に引いてるでしょ!だから嫌だったのに!」


「あ、…うん。」


「素直に認めないでよ!そこは嘘でもそんなことないって言ってよー!」


「これはお片付けスキルをマックスに発揮しなければいけない時が来たと言うことだね。腕がなります。」


「そんなオブラートの包み方するならいっそ汚いって言って!」



さっきから横で発狂するさぁちゃんはきっと自分が矛盾したことを言っていることに気づいていないんだろうな。

それほどまでに精神的ダメージを負っていると言うことですねと自分を納得させた。



「さ、始めましょうか」