「じゃぁね。帰り一緒に帰ろうね。」
「そーだな。おバカヒナ勉強頑張れよ」
「えへへ。李喜斗よりマシだと思うよ」
「俺のことばかにすんな!」
って笑顔で答える李喜斗…
「じゃぁな。」
「うん!また後で!」
…李喜斗と同じクラスだったらずっと一緒にいられるんだろうなー。

「雛帆!1限目終わったよ。」
「そっかー。あんねうち李喜斗と海行ってきた!」
「えっ?門どーやって抜けたん?」
「李喜斗の技を使って!」
なんか李喜斗の話してるだけでめっちゃ楽しいんだ…
「はーい。席座って」
うわっ!担任の『鈴木』だー。
「おぉー。お前来たのか。」
「あぁー。はい…遅れてすいませんでした。」
って先生のくせしてお前?すげぇーな言葉使い…

「ここの公式はー」
全く授業なんか集中しないうち。
席が窓側の1番後ろだからずっと空見てた。時々「お前この公式は?」って
言われて戸惑うこともあるけど…でも
前の席のなっつが小さい声でボソッと言うからそれを言ってる。
なっつは学年一位二位を争うほどの頭の良さ。うちとは大違い。なんだ…

「ふぁー。授業おわったー!」
てふぅーって大きく伸びーする。
「雛帆ずっと空見てたでしょ?」
「うん!だって授業意味わかんないもん」
「あはは…そっか…」
「うん!」
「うん!じゃないよ、テスト前はあたしと一緒に猛勉強だからね。」
「えっー」
そういえば去年の試験に向けて勉強を教えてくれたのはなっつだったなー。
あそこで教えてくれてなきゃうちどーなってたんだろ?
想像はある程度できるけど…