昨日入学式があり、今日から正式にうちはコウコウセイになった。

「ぷぁー…眠たいー…」
うちが起きた頃には皆起きてた…
しばらくして…
「雛帆ー⁉︎ご飯ー!」
ってお母さんの声が耳に入ってきた。
重たい体を持ち上げてカーテンを開ける。サイコーの天気だ!

うちは『高山高校』へ通っているから電車で行かんといけない…
それに比べて弟の快は『喜多流第一中学校』5分で行ける。龍はヤンキー学校って言われてる『西銀高校』やくして『西高』へー…でも、ほとんど学校なんて行ってないと思う。うちが出る時まだ寝てるもん!なのに帰りは10時とか11時とか遅い。

ープルルルループルルルルー

まだ出るまでにはかなり時間があるのに誰だろ?
画面を見ると『李喜斗』
わざとテンションを上げてからでる…
「おっはよーぉ!どーしたん?」
機嫌の悪そうな声が聞こえてくる。
「どーしたん?じゃねーだろ?」
「えっ?」
何にも思いつかない?なにかあった?
「なに?知らねーの?電車が事故ったんだよ。俺たちが乗る。」
「ん?えっーーー!!!!!」
「声でけぇ。耳壊れる」
「ごめん…どーやって行くん?」
「チャリ!」
何を考えてるんだろ?チャリって!30分以上坂を登ったり急なクネクネがあったりするのに…うちついてけんよ
「無理だよ…」
「大丈夫だろぉ?俺の力があれば!じゃあと10分くれぇーしたらひなほーん家いくからじゃ」
「あぁー。はい…」
全く状況がわからん。ってうち自転車パンクしてること知ってるよね?
も、もしかして2人乗りするとか言わないよね?
そんなことを考えてるうちに

ーピンポーンー
あっ!もう来たってもう10分経ってるか
「ひなほーおっはよ!」
うわっ!満面の笑み!何かたくらんでる?なになに?
「あ、あの李喜斗?うちのチャリパンクしてること知ってるよね?」
「おう…知っとるーぅ」
「じゃぁーどーやっ」
『2人乗り〜する〜』
人の話は最後まできけ!って予想的中…
「ん?早く乗れよ!」
「う、うん」
「あんさー2人乗りすんならバイクの方良かったな」
「う、うん」

ふぅーやっとついた!!!!なんかフラフラする〜。

「雛帆おはよ!」
なっつごめん今そーゆー気分じゃない
「おはよ」
「雛帆大丈夫?保健室いく?」
「ううん…大丈夫」
と突然
「夏樹ちゃんだよね?」
「あぁー。はい…そーですけど。」
「俺はひなほーの彼氏李喜斗っす。」
「えっーーー」
なっつの顔やばい…おこってる?
って李喜斗余計なことゆうな。
「えっ?まじ?雛帆いつ紹介してくれるかな?って思ってたけど…えっーこんなイケメンと雛帆?」
すいませんでしたね…凡人の顔で…うちだってこの顔になりたくてなったわけじゃないし…
「ひなほー。いこっ」
「う、うん」
「じゃぁ!夏樹ちゃんひなほー貰いまーす」
貰うってうちとなっつ一緒のクラスだし…でも、李喜斗と違うクラスだったのはガッカリした…だからいっつもチャイムがなるギリギリまで一緒にいるんだ。
そーんで今日李喜斗がチャリ置きに行ってる時なっつにあった。ってわけ。

ーキーンコーンカーンコーンー
「李喜斗?チャイムなったね?教室戻る?」
「……1限目さぼんない?どーせHRだろ?」
「まぁー…でもサボっていいのかな?」「怒られたら俺のせいにしていいからな。」
「……」
なんで返したらいいのかな?
何にも言えないや…

「よぉーし!ひなほーじゃなくなんかニックネームつけましょぉー」
「ならうちも李喜斗じゃな」
「ダメ!俺は李喜斗のまんまで!」
最後まで人の話きけー!
「んーなかなか思いつかねぇー。」
「だったら雛帆のまんまでいいよ。」
「そーれはやだ」
こんな事を真剣に考えてる李喜斗を見るとなんか嬉しい…
李喜斗が真剣に何かをするってなかなか無いからねー。
って春だからってここ屋上のドアの前だよ?寒いー。
ーブルルルーうちの体が震えたのが分かったのか李喜斗が制服のジャケットを着せてくれた…
「分かった!ヒナは?」
「えっー?なんかフツー過ぎない?」
「そのフツー過ぎるのがいいんじゃない?」
「ふーん」
「よしっ!ヒナ!海行こっ!」
「えっ?」
テコテコ歩いてく李喜斗の袖をつかんでうちも後ろを歩いてく…
この街はコウコウセイになって初めて来た…電車に15分乗るだけで景色がこんなに違うのには初めて気づいたんだ…

「ヒナ?目ーつぶって」
「うん」
「もーちょいで着くからなー。まだ目開けんなよ。」
「うん、分かってる!」


「いいよ…」
「わぁーきれぃー」
自然と声が出た。だって本当に綺麗だったから…
「まだ4月だから入ってる人はいねーぇな」
「そーだね。」
「ヒナ?」
海に見とれてるうちに話しかけてくる…
「ん?なに?」
「……いい顔してる。初めて見た!」
「ちょっいちいちそんなこと言わんでいい」
えへって笑う、うちに李喜斗も、照れ笑いしてた…
「そろそろ帰ろっか⁈」
「うん、そーしよ。ねぇ李喜斗寒い」
「手ぇ出して!」
「えっ,うん」
「ほらこれであったかいでしょ?」
李喜斗と手ぇ繋いで歩く…ほんとにあったかい…うちがブラブラ手ぇふってると李喜斗が隣で笑う。そんな李喜斗の顔がうちは大好きなんだ…