さっきまであんなにうるさかった店も静かになっちゃった。
夜って今までは怖かったけれど実はそうでもないかもしれない。

「フラン?」

「どうしたのお母さま?」

「今日はお店を手伝てもらってありがとね?」

「何言ってるのよ?私が好きでお手伝いしたんだから!」

「フフフ・・」

「お母さま?」

「あなたは知らないかもしれないけど、あなたの瞳は月の光で金色になるのよ。」

「お母さまも?」

「昔はね。今はもうならないの」

「どうして?」

「・・今はまだいうべき時じゃないと思・・」
「教えて!その時に教えてもらっても遅いかもしれないじゃない!」

「そうね・・。本当はパトラと一緒に話したかったんだけど・・」
パトラとは、私のお父さんの名前だ。私はお父様と一回しか会ったことがない。
なぜここにいないのか。私は知らなかったし、お母さまを傷つけたくはなかったから聞いたこともない。

「クレオンの伝説を知っているかしら?」
「えぇ。確か・・この国に災いが起こるとき金の華の輝きによって救われるであろう・・」

「そう。でもそれは一部が抜けているわ。金の華の輝きとともに五人の戦士達の命と引き替えに救われる。」

「なぜ本当のことを公開しないの?」
「それはいずれわかるわ。これは私の口からは言ってはいけないことなの。お父様に聞きなさい」

「はい・・」

「これだけはいっておくわ。あなたは特別な子よ民にとっても私たちの一族にとっても。」

私は頷いた。

こんなに輝いている月を見ていると力がみなぎってくる気がするわ。

わたしは特別な子・・?
そういえば・・お父様もこんなこといって言ってたっけ
「特別だとしても命の価値は皆と変わらない。変わるのは人としての価値だ・・」
どういう意味だろう・・
言ってることが矛盾している気がするけど・・


町はとても静かだった。