「あはは、まっさかー。マリアじゃあるまいし」


藍は笑って取り合わなかったけれど、たぶんそんなところだろう。


彼は以前から、藍のことを知っている様子だったから。




かわいそうに。あいつ、失恋やな。



心の中でそうつぶやくと、マリアは階段の最後のステップを上った。