紅い龍〜俺に一生ついてこい〜







樹「………自分で食う。」




『生意気な!これはあたしのだからあたしが樹にあーんしてあげるのは当たり前や!』



だってそうやろ?
これあたしのやねんもん。

へたにスプーン渡してみい?

全部食われるわ!



雅弥たちにされてあたしは学んだからね!





あたしはスプーンを譲らない。




樹「自分で食う」



『ここにはあたしとあんたしか居ないからあーんしたって大丈夫やん!』




樹「…………そういう問題じゃねえよ。」



それでもあたしは譲らない。



『ほれ、あーん』



樹は、あたしの負けず嫌いに折れて口を開けた。





ハッ!!!


思わず素を出してしまった…




まあ、こいつ女嫌いだしいっか。





それに、こうやってこいつと馴れ合うのはこれが最初で最後。








『……よしっ、もう教室行くわ。』


あたしは急に立ち上がってドアの方に歩いていった。



樹「…………早いな。凛、また怒るぞ?」




『あっ!これ、凛にわたしといて。あたし、眠いから…』



そう言って樹めがけてプリンを投げた。




『………またね。』



あたしはふっと笑って視聴覚室から出た。