「聖くん、前に言ったよね?なんで、ピアノ教室やめたの?って…」 「え?…あぁ、うん。言ったけど…」 あたしが聖くんのマネージャーになるって、約束した次の日の朝。 あたしの時を一瞬止めた、聖くんの一言。 君が何気なく放った一言は、あたしの心臓をえぐり取るくらいに、鋭い言葉だったの。 「あたしが、ピアノ教室やめたのはね…」 思い出したくない、あの光景。笑い声。 今から、終わりにする。 全部、吐き出すの。 「…あたし、あの教室でいじめられてたの。」