「あたし、聖くんのマネージャーしたいよ」
あたしの本心。
記録表を見て、気付いたの。
誰よりも頑張ってて、誰よりもあたしのピアノを好きでいてくれる聖くん。
そんな聖くんを、誰よりも一番近くで応援したいの。
「……え」
聖くんは、『嘘だろ?』みたいな顔をしてあたしを見つめる。
あたしはもう一度言った。
「マネージャー、したい。…だめ?」
「いや、俺も出来れば鈴にしてもらいたいけど…、無理してない?大丈夫?」
心配そうに、あたしを見つめる聖くん。
聖くん……。
ありがとう。
「…大丈夫。無理してないよ」
あたしよりもずっと背の高い聖くんを、しっかり見つめる。
そして…。
「…でも、1つだけ…。お願いがあるの…」
「お願い?何?」
「…ちょっとだけ、あたしの話を聞いて?」
だんだん、空に雲がかかってきた。


