「え…?」 聖くんの驚いた顔に、正直逃げ出したくなる。 2人の間に、沈黙が訪れる。 不安が募っていく。 あたしの決心が、また揺らぎ始める。 絶対ダメ。 逃げちゃダメ…。 今にも後ずさりしそうな足を、必死で我慢する。 なんて、もろい決心なのだろうか…。 あたしは、なんて弱虫なのだろう…。 情けなくて、苦しくて涙がでそうになった。 「もうすぐ部活終わるから、ベンチに座って待ってなよ」 聖くんが言った。 「…うん」 「じゃあな」 聖くんは足早に、その場を去って行った。