「聖…くん…」 聖くんが、あたしの所へ走ってくる。 「どうしたの?……マネージャー、辞めたくなった?」 違う、違うよ。 あたしは、首を横に振った。 「あのね…。あたし…、あたし…」 何から話したらいいんだろう? さっきまで頭にあった言葉は、全部どこかにいってしまった。 息も苦しい。 聖くんの部活の邪魔をしてしまった。 陸上部の人達が、ずっとこっちを見ている。 何だか頭がボーッとして、ゴチャゴチャで、何も考えられない……。