「……え、もうこんな時間?!」


演奏中、ふと見た時計は7時を指していた。

集中し過ぎた!

大慌てで、音楽室を去る。


夏で良かった。

まだ明るい。

今度からは、気をつけなきゃ。


そんな事を思いながら、生徒玄関を出る。

………あれ?

グラウンドに誰かいる?

部活はとっくに終わってる時間なのに、1人で走っている。

誰?


すると、その人はあたしに気づいた。


ヤバ!

早く帰らなきゃ……


「ねぇ!そこの子!!」


大声で誰かを呼んでいる。

周りには、その人とあたしだけ。


まさか、あたし?


「突っ立ってないで、早く来てよ!」


………あたしを呼んでる。


さすがに、このまま無視は出来ない。


あたしは仕方なく、彼の元へ行った。