「…あたし…謝ってくる」 「良かったね、役に立つ妹で」 「調子に乗らない」 あたしは、軽く音波の頭を叩く。 「あ!ヒドい!」 「…でも…ありがとう…」 「…お姉ちゃん…」 「じゃ、行ってくるね」 「行ってらっしゃい」 音波の言葉を背に、あたしは走り出した。 大して速くもない足を懸命に動かして、あたしは走る。 ゴールは、聖くん───…。