「やめて!!!」
自分でも、びっくりするくらいの声が出た。
「……鈴?」
聖くんも、驚いてる。
「何も知らないくせに…っ!簡単に言わないでっ!!」
止まって……!
そう思っても、止められない。
次々に、言葉が飛び出してくる。
「あたしだって、努力した!頑張れるって言われたから、頑張ったの!!なのに……っ!」
身体が震える。
あの光景が。
あの感覚が。
あの時が。
思い出したくないのに、蘇ってくる。
「鈴、大丈夫?」
聖くんは、『何が何だか分からない』みたいな顔をしている。
「聖くんは才能あるのに、嫌われてないじゃん!!なんで、あたしは好きな事して、恨まれなきゃいけないの?!なんで…っ!!」
「鈴、落ち着いて……」
聖くんが、あたしに手を伸ばした。
パシッ。


