学校、友達、先生。
全部、面倒くさい。
ガラッと、戸を開ける。
一瞬シーンとして、皆はすぐに会話に戻る。
いつもの光景。
当たり前の事。
あたしは友達が怖くてつくれない。
それでも、学校に来るのは、音楽室のピアノを弾きたいから。
…なんてね。
いくら頭の中で言い訳しても友達は出来ない。
でも、それでいい。
別に構わない。
偽物の友情はいらない。
それに、ピアノ教室をやめてからの7年、あたしはずっとこんな生活。
だから、こっちに慣れてしまった。
1人の方が気楽でいいし。
こんなあたしのピアノのファンで、マネージャーを頼むなんて、聖くんは変わってる。
初めて会った時から、変わってる。
本当に、不思議な人──…。