「ありがとう」


素っ気なく答えて、さっさとメアドを交換して、あたしは


「じゃあね」


とだけ言って、帰ろうとした。

後ろから


「鈴ー、明日からよろしくーっ!!」


と声が聞こえたけど、聞こえないふり。

……渡野聖くん…。

正直、苦手なタイプ。

でも、あたしのピアノが大好きな人─…。


良い人か、苦手な人か──…。


そんな事を考えてるうちに、家についた。