「明日からのテストも頑張ってください。解散!」
よし、はやく行って一宮くんに言おう!
帰りのHRが終わり、カバンを持っていつものように選択教室へ。
ガラガラ―――
「一宮くん!」
扉を勢いよく開けて、一宮くんの名前を呼んだ。
「どうしたんですか?今日は異常に元気ですね」
「一宮くんのおかげでね、今日の化学のテスト、スラスラ解けたよ!」
と、一宮くんの座っている席の机に身を乗り出す。
「一宮くん、ありがとう!」
「……まだはやいですよ?数学も残ってますし、それにテスト返ってきてないですし」
「そうだけど……でも、一旦お礼を言いたくて」
私が満面の笑みを向けると、一宮くんは少し頬を赤らめた。