私はもう、歩のことは吹っ切れたんだ。
好きでもなんでもない。
「私………もう、歩のとこには戻らない……絶対に」
私はそう行って、昇降口の方へ一気に走った。
これで……いいよね？
歩もこれで諦めてくれる、よね？
「はぁー……はぁー……」
「なにしてたんですか？遅いですよ？」
昇降口に着くと、待ちくたびれた様子の一宮くんがいた。
「ご、ごめん……さ、はやく帰ろう！」
一刻もはやく、学校を出たくて一宮くんの腕を引いた。
「あの……白雪さん、どうしたんですか？」
校門を出たあたりで、一宮くんが私に聞く。
「ううん、なんでもないよ」
一宮くんの腕を離す。
