「………あの、今から読書するのでこの場から消えてくれますか?」 「へ……?」 「聞いてます?立ち去ってください」 「う、うん!」 一宮くんの言葉にうなずいて、制服を直してから私は教室へと戻った。 助けてくれて……本当に感謝だ。 「桃乃、おかえり。歩くん、大丈夫だった?」 「未唯ちゃーん……聞いてよ……」 私は教室で待っていた親友の合田未唯(あいだみい)ちゃんに抱きついた。 「ど、どうしたの?」 「実はさっきね………」 私はさっき、歩に襲われそうになったことを話した。