「できた!」
「全問正解です。じゃあ今日はこの辺にしますか」
気が付けば2時間も勉強していた。
「で、ご褒美のキスはどうしますか?」
一宮くんが私を見てニヤッと笑う。
「か、からかわないで……っ!」
「僕は本気ですよ?」
クスッと余裕そうに笑う一宮くん。
いっつも私ばっかりやられてばっかりで悔しい……。
まぁ、私が仕返ししようとしても、絶対に出来ないだろうけどね。
なにか企んでも、すぐに見破られそうだし。
「も、もう……」
「じゃ、僕、先生に用事があるので鍵返すついでにいってきますね。だから昇降口で待っててください」
「うん」
一宮くんは選択教室の鍵を閉めると、職員室の方へと向かっていった。



