「はぁ～……疲れた」
職員室に選択教室の鍵を返してから、昇降口へ向かう。
「お疲れさまです。でも明日からは今日以上にハードですからね」
「え」
「当たり前ですよ。今日は最初ですから、易しかったでしょう？」
ど、どこが………。
少し計算ミスしたら「バカなんですか？バカですよね、じゃないとこんな簡単な計算間違えないですもんね」って責めてきたくせに……。
「鬼畜………」
「なにか言いましたか？」
私の小さなつぶやきが聞こえたのか、笑顔で聞いてきた。
目は笑ってないけど。
「いや、なんでもないです！」
結構小さい声で言ったのに………地獄耳だ。
慰めてくれたときはちょっと……ほんのちょっとだけ、かっこいいなんて思っちゃったけどやっぱりかっこよくなんかないっ！
