「あぁ……えっとこれはその……」
「あの人関連ですか?」
「え?」
「瀬戸歩です」
歩の名前が出されて、私は小さく頷いた。
「………そうですか。とりあえず、座ったらどうですか」
私は涙を拭いながら一宮くんの隣の席に座る。
「………で?アイツになにかされたんですか?」
「ううん……なにもされてない……でもね、歩にはもう新しい彼女がいたんだ……教室でイチャついてた……」
「……そうだったんですか」
「歩は……っ誰でもよかったのかなって……っ思っちゃってっ……でもおかしいよね。私からフッたのに……なんで泣いてるんだろうね……」
自分でもわかんない。
なんで今自分が泣いてるのか。



