「白雪さん、例えばですけど―――」
そこまで言うと、一宮くんは私の両肩を押して階段に座らせたかと思うと私の両足の間に足を置いて、私の座っている1つ上の段に両手をついた。
「い、いち、みやく……っ」
あ、あ、あ、あの、この状況やばくないですか……!?
か、顔めちゃくちゃ近いし……っ。
私の鼓動は加速する。
「こういうシチュエーションに憧れたり、するんじゃないですか?」
「………っ!」
ま、またからかわれた――!
「も、もう!からかわないでよっ!」
「別にからかってなんかないですよ?このまま、キスしてあげてもいいんですよ?」
口の端をあげて笑う一宮くん。
もう悪魔にしかみえない……イジワルだし俺様だし。
「け、結構です!!!」
私は一宮くんを力いっぱい押し退けた。