私は一宮くんの目をじっと見つめる。
落ち着け、私。
自業自得なんだから。
自分が悪いんだから……仕方ないんだよ!
自分に言い聞かせて、覚悟を決める。
背の高い一宮くんに届くように背伸びをする。
「………っ」
そして、思い切って勢いよく一宮くんの口の方にキャンディを運んだ。
そのとき、一瞬だけ……唇と唇が触れた……気がした。
「ふっ、やればできるんじゃないですか」
一宮くんは満足そうに笑いながら私の手を解放する
やばい……もう心臓がドキドキして……苦しい。
「どうしたんですか?そんなに顔真っ赤にさせて」
「う……っ」
一宮くんってほんとずるい。
余裕な表情で、私を振り回すんだもん。



