「貸してください」
「あ、うん」
一宮くんは私からキャンディを受け取ると、包装をはがした。
そして私の両手首を片手で固定して、キャンディの端っこの方をくわえさせた。
「!?」
「はい、これをくわえたままそのキャンディを僕の口まで運んでください」
え、え!!!?
「ほら、なにしてるんですか?早く」
「ん~~っ」
手首固定されてるから口からキャンディ取れない……ていうか、取ったらどうなるかわかんないし!?
「早くしないと、押し倒しますよ?」
笑顔で言った一宮くんだけど……これは、本気の目だ。
目が笑ってない。
これは……もう実行するしかない……っ!



