「なにため息ついてるんですか」 「いや、別に……深呼吸ですのでお気になさらずに」 「……ふぅーん」 興味がなさそうに軽く返事をして、カバンと本を持って教室の出口に向かう一宮くん。 「ボーっとしてないで、行きますよ」 「あ、う、うん!」 なにされるんだろう……。 あー、想像しただけでゾクッてする……! 「あの……」 「なんですか」 「帰ってもいい、デスカ」 「帰ったらどうなるかわかってて言ってるんですか?」 そ、そうですよね……。 帰りたい―――!!!