「大丈夫?未唯ちゃん」
柴崎くんはあんなに走ったっていうのに、疲れた様子もない。
「いや、柴崎くんのせいなんだけど……」
「えへへ、ごめん!なんか夕日に向かって走るってドラマみたいで面白いなって思って!」
子どもみたいに笑う柴崎くんを見てたら、怒ることが出来るワケがない。
「あ、会場もうすぐ入れるみたいだよ!」
ちょうど、開場したところだった。
「未唯ちゃん、迷子になったら困るから、手繋ご?」
柴崎くんが私に手を差し出す。
「う、うん……っ!」
私は柴崎くんの手に自分の手を重ねた。
それから柴崎くんはライブ中もずっと私の手を握っててくれた。
バンドももちろんカッコよかったんだけど、柴崎くんの方がもっともっとカッコよかった。



