「あ、ありがとう……」
「あっ、そうだ」
柴崎くんはなにか思い出したようにカバンをあさる。
そして、小さな袋を取り出した。
「はい、これ」
「なにこれ?」
「開けてみてよ」
柴崎くんにそう言われ、袋を開ける。
「こ、これ………」
そこには、今日ライブのあるバンドのグッズの、ブレスレットだった。
「見て!俺と色違いのお揃いだよっ」
柴崎くんが自分の手首を見せる。
そこには私に渡してきたものと同じものを付けていた。
私には赤で、柴崎くんは青。
「これで一緒にライブに参戦しよーっ!」
いつものように無邪気な笑顔で私を見た。
どうしよう、さっきから嬉しすぎることばっかりなんですが。
そんなの答えは決まってるじゃん。



