キーンコーン――― 「あ、じゃあ私戻るね」 朝のHRのはじまりを知らせるチャイムが鳴った。 「うん、桃乃またあとでね」 私は未唯ちゃんに手を振って、自分の席に戻った。 すると、席に座った私の方を一宮くんが向いた。 「ど、どうしたの?」 「まさか、言ってないですよね?」 な、なにをだろう……? 「な、なにを……?」 「僕の本性です」 「い、言ってないです……!!!」 い、言えるはずないよ……あんな怖い本性。 「ふぅーん……ならいいですけど」 一宮くんは前を向いた。