柴崎くんは少し考えるような表情を見せてから、なにかを思いついたように手を叩いた。 「なるほど!今日、ライブで好きなバンドに会えるから緊張してるんだね!」 ………もう、どんだけ鈍感なの。 こっちは勇気出して言ったのに。 「………鈍感」 「ん?なにか言った?」 「ううん、まぁ、そんな感じだよ」 「やっぱり?そりゃ、緊張するだろうね」 きっと柴崎くんははっきり言わないと、私の気持ちには気付かない。 そんな気がする。 いや、絶対そうだ。 色々話しているうちに、グッズ販売が始まった。