【完】キミとふたり、秘密の場所で。








「桃乃ちゃん、未唯ちゃんおはよー!!!」




すると、いつも通りのニコニコ笑顔で柴崎くんがやってきた。




「おはよ!」




「お、おはよ、柴崎くんっ」




未唯ちゃんはさっきとは違い、ガッチガチになって挨拶がぎこちない。




「………っあ!そういえば、未唯ちゃんにこれ渡そうと思ってたんだ!」




「こ、これ……!」




柴崎くんが差し出したのは未唯ちゃんの好きなバンドのライブのチケット2枚だった。




「昨日、兄貴がくれたんだ!本当は兄貴が友達と行く予定だったらしいんだけど、友達が行けなくなったからって!」




「え……!ほ、本当にいいの?」




「うん!2枚あるから桃乃ちゃんと行ってきたら?」




柴崎くんが私と未唯ちゃんに1枚ずつチケットを渡す。




……けど、日付を確認すると次の日曜日だった。