「………はい、じゃあここ縫って!縫い目の大きさは小さく、揃えてね!」
「はい!」
未唯ちゃんの言う通りに布を縫っていく。
「そうそう、いい感じ!その調子で縫って!」
「うんうん!………っいた!」
縫っていると針が指先に刺さった。
刺さった部分からは血が出ていた。
「も~……桃乃ってばドジなんだから~……」
未唯ちゃんはカバンから絆創膏を取り出して私の指に貼った。
「はい、これで大丈夫!」
「未唯ちゃんありがとう……!」
未唯ちゃんにお礼を言って、また縫うのを再開する。
集中して縫っていると気が付いたら夕方になっていた。
「ぬ、縫えた―――っ!!!」
ブックカバーを縫い終え、私は声を上げた。