「えへへ、一宮くんにいっぱい電話しちゃおうかな~?」 「全部無視するのでいいですよ」 「ひ、ひどい………」 「イタズラ電話はやめてください」 「い、イタズラじゃないもん!ラブコールだよ、ラブコール!」 「お断りします」 そんなくだらない話をしているうちに、陽は落ちかけていた。 「さ、帰ろう!」 「そうですね。暗くならないうちに帰りましょう」 私と一宮くんはまた、私の家に向かって歩き出す。 「ね、手繋いで帰ろ?」 私がそう言うと、一宮くんはなにも言わずに私の手を握った。